いつか記憶から零れ落ちるとしても

思いやりのある優しい男の子

ペダルを回す


庭ラジや日日廉恋があるけれど、基本的に普段あまり多く自分について語る人ではない。
ところが、映画のインタビューとなると自身のことも深く問われ話すものが多く、れんくん(の内側)を知ることが出来る。
その数少ない手段ゆえに大量の雑誌を噛み締めながら読んだ。


どの雑誌でも、うち執の時よりも役作り(役への向き合い方)を具体的に話していて、うち執の撮影と去年のドラマ撮影の経験が生かされてるのだろうと感慨深い。
うち執の時に監督に演じるということがわかっていないと遠回しに言われてたのにね。

今まで以上に考え、役に向き合っていると感じる。
小野田くんがどんな人であるか、れんくんなりに考え捉えて向き合ったことの表れなのだろうなと思わされる。それほど深く掘り下げてる。
監督から「物語の世界に触れ、噛み砕いた小野田を演じて」と言われたことを忠実に守り、一生懸命「小野田くん=1人の人間」として対峙し向き合ってきたのだと感じる。
今までと比べ芯を捉えたしっかりとした受け答えになっていた。
尋ねられたことに対し的を得た回答が出来ているのもそのおかげかなと思う。

友達がいない彼が他人とどうコミュニケーションを取っていくか、なかなか目を合わせなかったり、女の子に話しかけられて驚いたり。
意識して演じたそうだ。
そういった細かな表現の仕方に言及していたのは初めてだと思う。

今までだったら完パケ(完成)を見て、表情がオーバー過ぎたと反省していたけれど、今回は「表情の出方は“らしく”なってきたのかなと思います」とも話す。
れんくん自身も手応えを感じているようだった。


初めてのことで言うと、今回の作品で初めて撮影でのチームワークについて語っている。
役者陣だけじゃなくスタッフさんとのチームワークがいかに大切かということ、チームワークは一朝一夕ではなく何度も取り組んでリズムや呼吸が感じられる、お互いの状態を感じ合うこととと話していて、文字からでも熱さを感じ、新しいれんくんが居た。
作品にかける想い、情熱が感じられる。

一方で「誰でも今は気付いてないかもしれないけど、特別なものを持っていると思います。ちょっとしたきっかけで、自分の居場所を見つけることができると思う。」「みなさんの背中を押せる映画になるといいな」と話すれんくんはファンへの言葉を述べてる時と同じ温度。
そこにはいつものアイドル永瀬廉も居た。


れんくんが「実はビジュアルが不安要素の一つでした。実写化するのであれば外見も坂道くんに寄せたいけれど、できるかな」と思っていたこと、原作ファンもれんれんのファンも気になっていたところを同じように心配していたと知り、ちゃんとそこにも考えが及んでいて責任を持って演じたのだと感じた。
だって、れんくんが「前髪なんていらないですよ」と弱ペダの原作者の渡辺先生に向かって言ったなんて珍しい。
原作者の先生が仰ってるように「本気だな」と思わされる。意気込みが感じられると言うか。
とは言え、実写化ならば原作に忠実であるべきなのが本来当然のことなのだけど。


練習や撮影を経て、自分自身も心身ともに鍛えられたと話す。
「演じることは何かしら僕の成長に繋がる」とするれんくんがとっても好きなのだけど、今回は小野田くん(役)が自転車に向き合えば向き合うほど自分もそうする必要があったと言う。
だからか、一番最初に述べたけれど、その“向き合った”証がインタビューの時点で強く感じられて、演じるれんくんに期待を寄せる。

公開が楽しみになるインタビューの数々だった。



そういえば、れんくんが映画でのお芝居で培った“表現”を通して、キンプリでの音楽活動で今までと違って声色や表情を自然と音楽のテーマに合わせられている気がする・曲により入り込めるようになったと話していたのだけど、
最近表紙が解禁される度にそこの雑誌のテイストやコンセプトに沿った表情・雰囲気を纏ってると個人的に感じていて、“紙面に棲む人”になった。
お芝居がもたらした良い影響(効果)の一つなのではと思う。

柔らかなアンニュイ具合と瑞々しさを残した美しさのある表情や雰囲気を作る醸し出すのが苦手なイメージだったから、一年経って随分と表現が豊かに、コンセプトに添うことが出来るようになったなと思った。
何と言うか、もともと表情や雰囲気に溶け込むことが苦手そうだったけれど、この数年でぐっと紙面の世界に棲む人になったなと思ってはいて、それでも影のある表情やダーク・クールにきめた姿を表現する方が得意のように見受けられたから。

演技の経験を積むたびに誌面で見せる表情、纏う雰囲気、作り出す世界にどんどん深みが増して行くので、れんくんが舞い込んだ演技仕事を真剣に真摯に取り組んだ結果の一つでもあるのだと連日の雑誌を見ながら嬉しく思う。
こんなところでも経験努力によって裏打ちされた成果成長が見れるものなのだと。

演じることに向き合い幅の広がりを見せるれんくんの成長にも期待を寄せる。